診療・研究

診療)

1)神経・筋生検の病理診断:

 年間10例前後の,神経生検・筋生検の病理診断を行っています.

筋生検については国立精神・神経医療研究センター西野一三先生,呉医療センターの倉重毅志先生,

神経生検については山口大学脳神経内科佐藤亮太先生のご支援を受けています.

 

2)病理解剖例の病理学的診断:

国際的に標準化された手法を用いて,網羅的な検索を心がけています.

診断にあたっては,古典的な形態学に止まらず,生化学的な解析,遺伝学的な解析を含めて診断することで

より詳細な疾患情報の蓄積を行っております.また,貴重な症例はたとえ1例であっても後世に残るよう英文誌での

症例報告を積極的に行っています.

 

pdf LRRK2PDrelatedSakuwa.pdf (3.96MB)

pdf Neuropathology - 2022 - Suzuki - An autopsy case of progressive supranuclear palsy Pallido‐nigro‐luysian type with.pdf (3.32MB)

pdf PARK2NeuropathologySakuwa.pdf (2.23MB)

 

共同研究先)東京都医学総合研究所(長谷川成人 博士),新潟大学脳研究所(池内 健教授)

 

研究)

1)臨床病理学的検討

神経病理学の醍醐味は,患者脳の組織学的変化が生前の症状とどのように対応していたかを検証することです.

当施設には,2000例を超える患者脳の蓄積があります.これらを利用して,以下のような研究を行っております.

①進行性核上性麻痺(PSP)の認知機能低下の病理学的背景

 PSPの認知機能低下は,タウ病理の程度に依存し,特に視床下核,視床内側核群のアストロサイトのタウ病理と

認知機能低下が関連していることを明らかにしました.

 

②筋萎縮性側索硬化症(ALS)の情動障害の病理学的背景

 ALS患者さんは,認知症を呈していなくてもしばしば情動障害を合併します.その病理学的背景についての検討は少ないです.

リン酸化TDP43と細胞脱落との関連を調べています.

 

2)基礎研究を元にした疾患病態に迫る

①酸化ストレス下におけるミクログリアの機能と疾患(鳥取大学医学部生化学中曽一裕教授との共同研究

酸化ストレス下でのみ誘導されるミクログリア膜関連xCT-系と疾患との関係を調べています.